NMFのもとになるフィラグリン | オウンセラ スキンケアTips

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07NMFのもとになるフィラグリン

28日ごとに新しい細胞に生まれ変わる表皮

肌表面にあって、人体を外界の刺激や乾燥から守っている表皮は、厚さわずか0.2mmほどのごく薄い組織です。しかし、その最表面にある皮脂膜や角層のなりたちや働きを見ても分かる通り、大変機能的にできており、薄くて頼りない見た目とは裏腹に、大きな働きを担っています。
表皮の皮脂膜、角層の下層では、細胞が層をなして並んでいますが、その一番奥にあるのが基底層です。基底層では、日々新しい細胞が生み出され、それらの細胞が徐々に肌表面へと移動します。そして、細胞が状態を変え、自らの酵素の働きで角質として肌表面から剥がれ落ちることで、表皮の細胞は常に新しく生まれ変わっているのです。
基底層での細胞分裂により日々新しい細胞が生まれています。それが徐々に角層へと押し上げられ、肌表面でアカとなってはがれ落ちるサイクルをターンオーバーと呼び、通常28〜42日ほどの周期で表皮の細胞は生まれ変わっています。

細胞の生まれ変わり過程で作られるフィラグリン

基底層で作られた細胞は、角化の過程でその形と組成を徐々に変化させます。表皮を形成している細胞の9割を占める表皮細胞(ケラチノサイト)では、ケラチンというタンパク質が合成され、それが溜め込まれていきます。
ケラチンは動物のツメや毛、ウロコ、羽毛などを形成する重要な組織。硬くて水に溶けない性質を持つタンパク質で、人間を含む動物の体表に存在している線維組織です。このケラチンは親和性が高いタンパク質でできた成分でそのまわりを取り囲まれていますが、これがフィラグリンと呼ばれるタンパク質で、ケラチンとともに角層の形成に重要な役割を果たしています。
基底層で新しい細胞が作られる際に、その内部にプロフィラグリンというフィラグリンの前駆体が生成されます。それが、角化の過程で分解されてフィラグリンとなり、ケラチンとともに角層を作りあげるのです。

フィラグリンはNMF(自然保湿因子)の主成分

肌に水分を保持するために、欠かすことのできないNMF(天然保湿因子)は、ケラチン線維を取り巻くタンパク質が分解されたものに、汗などの成分が加わって作られています。その主成分となるのがフィラグリン由来のタンパク質。肌の保湿に必要なNMFを生みだすうえで、フィラグリンは欠かせない成分なのです。
アトピー性皮膚炎の患者の皮膚を調べると、3割ほどの確率でフィラグリンの遺伝子異常が見つかります。また、尋常性魚鱗癬の患者ではフィラグリンの発現が極端に低下していて、フィラグリンがNMFの生成、ひいては肌の保湿に大きな関わりを持っていることが分かります。
フィラグリンを補うことで、肌に必要な水分を保持するNMFの生成を助けることができます。そのために有効とされているのがビタミンB6誘導体や海藻由来のオリゴフルセランなどで、フィラグリンの合成を促進するとされています。ビタミンB6誘導体が配合された化粧品を使うことで、フィラグリンの合成、ひいてはNMFの生成を補佐し、しっとりしたうるおいのある肌を作ることが期待できるのです。

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